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スタートアップが理解しておく企業法務の6つの基本 【就業規則ほか労務関連法務編】

スタートアップが理解しておく企業法務の6つの基本 【会社設立編】

<講師>

TMI総合法律事務所 神戸オフィス 

弁護士 中西 健太郎氏

昭和50年神戸生まれ神戸育ち。1999年東京大学法学部卒。2000年10月弁護士登録。

20年間東京の大手法律事務所においてM&Aやファイナンス、紛争など多くの企業法務案件をスピード感をもって担当。2020年から三宮で執務開始。

今回、神戸がビジネス拠点、知的拠点としてさらに発展することに寄与できればとの思いから、こちらに登場させて頂きました。

<講師からのメッセージ>

起業する際、対象となるビジネスの内容がどのようなものでも、また、起業者が明確に意識している場合でもそうでない場合でも、ビジネスの根本的なルールを決めているのは法令ですし、さらに、会社は自社が締結した契約に拘束されることになります。

今回は、起業し、リーガルリスクを可能な限り減少させて安定的に会社を成長させていこうとされる方向けに、そうしたリーガル面で意図しない落とし穴を減らせられる様、基本的な法律上の留意事項を確認します。

なお、以下はあくまで一般的な留意事項を簡潔に記載したものとなります。そのため、個別のケースで問題が生じた場合には別途慎重に検討頂くべきことになりますし、以下に述べた以外にもご留意頂くべき事項は多岐にわたりますが、まずは、初期的なご理解の一助となれば幸いです。


<就業規則ほか労務関連法務編:目次>

  • ①労働条件はどのように決定するのか
  • ②就業規則はどのように作るべきなのか
  • ③残業に関する規制と労働条件についての制約
  • ④労働契約の終了について

①労働条件はどのように決定するのか

労働条件は、労働者と使用者が合意する労働契約によって定められるのが本来です。ただ、労働者と使用者の力関係に配慮して労働者を保護したり、多数の労働者に対して公平で統一的な処理を図ったりする必要もあります。

そうした観点から、労働契約については、賃金、労働時間・休暇などについて制約を設けており、労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約の部分は、無効とされます。

また、使用者は、労働契約の締結に際しては、労働条件を労働者に明示することが義務付けられています。


②就業規則はどのように作るべきなのか

常時10人以上の労働者を使用する使用者は法定の事項を記載した就業規則を作成して当局に届け出ることとされています。こうした記載事項には、始業時刻、終業時刻、賃金の決定、計算及び支払方法などが含まれます。

就業規則は、作成又は変更に際して、労働者の過半数で組織される労働組合がある場合にはその労働組合、それがない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴くこととされています。また、就業規則の変更については、一方的な不利益変更が許されないなどの制限があり得ます。

就業規則は、常時各作業場の見やすい場所へ掲示するなどにより周知する必要があります。


③残業に関する規制と労働条件についての制約

使用者は、時間外・休日労働(1日8時間、週40時間の法定労働時間を超える労働とか週休性の法定基準による休日における労働)をさせてはならないのが原則ですが、その例外として、いわゆる三六協定を締結することでこの基準を超えて労働させることが可能となります。

三六協定は、過半数労働組合又は過半数代表者と書面で法定の事項について協定を締結し、所定の様式により労働基準監督署に届け出る必要があります。


④労働契約の終了について

労働契約の終了については、期間の定めのある労働契約における期間の満了や、辞職、合意解約などもあり得ますが、大きく問題となるのが、解雇の場合で、その場合、解雇予告が義務付けられるほか、解雇権の濫用となる場合には、解雇そのものが無効ということになります。